Let's  cook  Thailand

タイ人の食事様式

『卓上調味料』

一般的にタイ料理はおおまかに大きく分けて「辛・甘・酸・鹹(塩辛)」の4つの味から成り立っている料理であると言われている。
代表的なものを挙げると、
「辛」は言わずと知れた“唐辛子(プリック)”。乾燥させて種ごと粉にした“粉唐辛子(プリック・ポン)”は長期保存が利く便利な唐辛子である
「甘」はココナッツ椰子からとった“パームシュガー(ナム・ターン)” や “きび砂糖”。
「酸」はやはり手ごろな“酢(ナム・ソム)”や“ライム(マナオ)”。
「鹹」はタイ料理といえばの調味料“ナンプラー”。

タイで食事をする時は卓上にこの「辛・甘・酸・鹹」の調味料が若干のアレンジと共に並んでいる事が多い。

例えばナンプラーに生の小さな唐辛子(プリック・キー・ヌー)が刻んで入れて唐辛子の風味がつけてあったり、麺料理屋台にはピーナッツを粗挽きにしたものが追加で置いてあったり…等など。  
しかしタイ料理の調味料は当然これだけではなく、「甘」「コク」を出すためにココナッツミルク(ガティ)や海老の発酵味噌(カピ)を使ったり、「酸」はタマリンド(マッカム)でも補ったり、そしてなんと言っても非常に数多くの香草がある。
 
タイでは卓上調味料を使う際、まずは提供された料理を一口食べてから…というルール(マナー)が基本的に何故か無い。
料理が提供されたら一口も口に含まずに、自分の好きな調味料をドサッと入れてしまっても全く問題マナー違反では無いのである。タイ人はどちらかというとストレートな味が好きである。とことん辛かったり、甘かったり、酸っぱかったり。 日本料理店で醤油の色が分からなくなるまでワサビを入れるタイ人が多いのはその為である。 余談であるが、タイ人はワサビもやはり大好きである。
 
タイ人が屋台やレストランなどで出された料理に入れる調味料を見ているとしばし目を見張ることがある。ラーメン(クイッティアオ)には大匙1杯…、いや2杯以上の砂糖を平気でドサッと入れるし、辛くない料理にもこれまたドサッと激辛の粉唐辛子を入れている。とりあえずは、一口食べてから… と言うタイ人もいるが、やはり結局は自分好みにドサッと調味している。 
そんな文化の料理なので、味が濃いと思って注文したタイ料理がテーブルに出てきたら、とても味の薄いものであった、という事がある。それは、タイ料理人の腕が悪いのではなく、「後は自分の好きなように勝手に調味して仕上がってください」というメッセージが含まれているのである。
 
私もタイでの生活に慣れるにつれ、屋台で食べるクイッティアオ(ラーメン)に入れる砂糖の量が段々とタイ人に近づいて来た。


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